コラム

ウイングフォイル HOW TO 「加速」

今回久々にフォイリングの「how-to」的な内容にしてみました。

ウイングフォイルを始めてみたけど、なかなか「浮かない」という経験をされている方、多いと思います。水面からボードが浮き上がってくるということ自体、フォイルスポーツの経験がなければイメージしづらいですよね。

ちょうど一年前にウイングフォイルでの「浮かせ方」についてまとめてて、似たような話ではありますが、今回はテーマを「ボードの加速」に絞ってまとめてみました。

ここ数年甲子園浜でもウイングフォイル人口が爆増している中で、フォイリングの練習中という方もかなり増えてきています。もちろん練習中だったり、始めて間もない方であればなかなか浮くことができないのは当たり前なんですが、風は十分吹いているにもかかわらず微風時とボードスピードが変わらないような状態の方も多くて少し気になってました。

ウイングフォイルだとフォイリングし始めるのは、ボードスピードがだいたい15k/hくらいに達したときから。なのでフォイリングを目指すにはボードの加速が最優先です。

風のコンディションが十分であれば、パンピングを行わなくても加速させることができますし、加速がきちんとできれば、あとはわずかな重心移動だけでフォイリングさせることができます。

ちなみにパンピングについてはウイングフォイルをやるうえで絶対マスターしたいスキルの一つですが、慣れないうちはパンピング動作によってかえって加速を妨げてしまうこともあるのでパンピングはまた別の機会に扱うことにして今回はスルーします。

というわけで今回はボードの「加速」がメインなんですが、ウインドサーフィンをはじめ、風スポーツになじみのある方にとっては正直あまり新鮮味のない話になりそうなので、さらっと読んでもらって大丈夫だと思います。

ウィングフォイルを始めたての方や風スポーツに馴染みがない方にとっては、多少なりとも役に立つかなと思っていますが、、

ボードスピードを上げよう

ウイングが飛ばされそうなほど風が吹いていて、周りのウイングフォイラーはバンバン浮いている。

↑このように風のコンディションは良いにも関わらず自分はなぜか浮く気配がない、、ウイングフォイルを始めたての頃にこういう経験をする人は多いはず。

特に風系のマリンスポーツが初めての方で、ある程度ウイング操作を覚えたという段階であれば、そこからは「浮かす」ことよりも「走らせる」ことにまず意識を向けるほうがフォイリングへの近道になると思います。

風は十分吹いているのにいまいちスピードがあがらないという症状に対して、考えられる要因はざっくり「3つ」!

ちなみに今回は「風が安定していてばっちり吹いていること」「使用するウイング&フォイルが適切なサイズ」ということが前提です。何が適切かが難しいんじゃんて話ですが、そこは一旦ゲレンデの上級者やショップのスタッフにアドバイスをもらって下さい。またいつか機会があればウイングやフォイルのセレクトについても書いてみたいと思います。とりあえずは極端に小さいサイズでなければ大丈夫ということにします。

風のパワーを活かしきれてない!

加速がうまくいかない一つ目の要因は「ウイングから必要以上に風が逃げている」こと。

POINT

・脇を締めるイメージ
・持ち手は後ろ側に

ウイング操作慣れないうちはバンザイの格好になりながちなんですが、ウイングのハンドルが顔より高い位置にあると、強風に煽られやすくせっかくの風のパワーが逃げてしまいます。まずは脇を締めるイメージで、ウイングが頭上に持っていかれないようコントロール。ひじは必ず目線の下にくるはずです。そうすることでウイングのバタつきが抑えられ風のパワーをボードに伝えることができるようになります。

ただウイングと体の位置が近づきすぎると、それはそれでウイングのパワーを伝えられなくなるので、懐は深くです。またウイングの位置を下げるとチップが水面につきやすくなりますが、そこはウイング操作で解決できるのでむやみにウイングの位置を高くしないよう気を付けたいです。

ハンドルを持つ位置も重要で、ウイングの前側(リーディングエッジ側)のハンドルを持っているとウイングから風が逃げやすくなります。後手だけでもいつもより後側(トレーディングエッジ側)に持ち替えるだけで改善することもあるので試す価値ありです。

風下に走る

二つ目の原因は「ボードを風下に向け切れていないこと」

基本的なことですが、スピードを出すには風下に走ることが重要です。風向に対して垂直方向に走る「アビーム」よりもさらに風下方向へ走れるよう意識してみてください。

「風下に走る」は初めのうちは意識しないとなかなかできないものですし、風下に流されすぎないようにするためにも、風が弱いタイミングでしっかり上っておきましょう。

ちなみに甲子園浜で北から風が入る場合などは、地道に風上に上るよりも浜沿いをボードを引っ張って歩いた方が断然早く風上にいけるので、ぜひ皆さんやって貰いたいところです。

風上に走る練習も当然必要ですが、せっかく風が吹いているのであれば割り切ってフォイリングの練習に時間を使ってしまいましょう。

POINT

・前足への荷重
・ウイングは普段よりノーズ側に

前足の荷重ですが、ボードを風下方向に送り込むような向きに荷重を掛けれると○
ウイングはいつもよりノーズ側に位置させておくと、ボードが風下に向きやすくパワーも得れるので意識しておきたいです。

両肘は軽く伸ばした状態、上半身は軽く前傾させるようなイメージでいると、前足の荷重もウイングの位置も改善できるような気がします。ウイングのパワーに負けまいと後足に重心が乗ってしまったり、両肘が曲がって腕の力だけでウイングをコントロールしようとするとなかなかボードは風下に向いてくれません。

ちなみに、加速すると同時にボードのノーズが水中に潜っていくようであればさすがに前足の荷重過多です。

ボードは水面に対してフラットに

三つ目は「ボードをフラットに保つ」

POINT

・ボードのノーズ&テイルが過度に沈まないように

特にテイルの沈みすぎには気を付けたいところで、浮かせたい気持ちが強くなるとどうしてもノーズを上げようという意識が働きやすいのですが、低速で十分な揚力が発生していなければ「ノーズがあがる=テイルが水中に沈む」なので水中の抵抗が増えていつまでたっても十分な加速ができない状況になります

「十分な加速→フォイリング」この順番がまずは前提です。気持ちがせいて、スピード不足なのにノーズを上げすぎないように(テイルに荷重し過ぎないように)。まずは落ち着いてきちんと加速です。

加速がうまくできると、ボードが水切りのように水面を跳ねていく”プレーニング”状態になりますがこの状態に到達できればボードの加速は達成です。
“プレーニング”状態をがつくれたら、あとはそのスピードをキープしつつ前足の荷重を徐々に抜いていけば、いずれボードが浮き上がってくるはず。

もし、前足の荷重を抜いていっても浮く気配がなければ、全体的な立ち位置の問題やフォイルのセッティングがうまくいっていないことが考えられますが、これはまた別の機会にまとめることにします。

今回は風が十分吹いてる状況を前提としてましたが、ボードスピードを意識することは微風下であっても当然大切です。パンピングについては一旦スルーしましたが、パンピングも要はボードの加速を促す動作なので、今回の話とも地続きです。

このあたりも追々まとめてみたいとは考えてます、、

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